N.Y.に来た少女(明菜)がある倉庫(この倉庫のナンバーがD404ME)でママ・サンドラという自立した女性に出会い、その生き方に共感してしまう。
帰国後、少女は失恋を体験するが、その時には人間的に大きく成長しており、再びママ・サンドラに会うため、N.Y.に旅立って行く。
N.Y。午前2時。
ハドソンリヴァーの夜風がしみる。
あたしを乗せたキャディラック。
星降るウエスト・サイド・ハイウエイをひた駆る。
左のポケットにバドワイザー。
右のポケットには、胸一杯の夢。
14thストリートが見えた。
左に折れる。
ヴィレッヂを抜けると、もうソーホー。
赤いレンガの古いビルが並ぶ。
A・B・C・・・4つ目のDのマークがついたくたびれた倉庫。
パッシングをして、クラクションを2発。
教えられた合図だ。
4階の隅の窓に燈りがついた。
ムキ出しのステップを駆け上る。
・・・<D404ME>の扉を開ける。
1年振り。青い瞳をしたママ・サンドラ。
・・・昨年の春。
ママはヴィレッヂのティールームで1日中窓をながめてた。
ママの瞳は、とってもいかしてた。
いくつもの恋をした女の瞳。
帰り際、ママがいきなりあたしに言った。
「いい女になりなよ、あんたも。一杯恋してさ。またおいでよ。」
来たよ。
あたし。
20歳になったし・・・。
ママと話がしたいんだ。