1985年の雑誌に掲載された、当時のスタッフによるインタビュー記事です。
BITTER AND SWEETツアーやアルバム「D404ME」のレコーディングなどの秘話になります。
明菜には「愛がある」んだよ。とってもね。
明菜は“歌謡界のモンスター”だと思う。モンスター明菜は、最新アルバム「D404ME」をチャート1位にして、今年の夏も“BITTER AND SWEET”と題したコンサート・ツアーを大成功におさめた。
WHY?なぜなの?明菜はその手に魔法(マジック)を持っているわけ?とても知りたい。
“明菜パワー”の仕掛人、3人のスタッフに彼女の“現在(いま)”をじっくり語ってもらった。
まずは所属事務所、研音のコンサート担当者角津さんの話から――。
彼女のコンサートは演出家がいないんですよ。そうね、彼女自身が演出家っていえるかな。自分で自分のコンサートの演出をやっちゃう、これはすごいことだよ。
だから、コンサート全体の責任者は明菜。曲順、構成、MC、セットなどは、僕や舞台監督と。衣装なんかはスタイリストと、って感じで、いつも明菜とだれかが打ち合わせする。明菜が中心。
あの子のコンサートって、とても温かいんだよ。すごく心(ハート)がある。手抜きなんて絶対しないしね。今回のツアーは風邪をこじらせて大変だったから、ステージの前にいつも「抑えて歌えよ!」っていうわけ。「わかってる、わかってる」なんて言うんだけど、始まるともうダメ。全力でワーッと歌っちゃう。正直なんですよ。今、この瞬間というものに、ものすごく力を入れる。またいい明かり、いいセットを送りこんでやれば、120%以上のものを返してくるアーティストだね。
ステージの明菜って、体で反応するタイプ。1回、1回ステージ回数を増すごとに動きが違ってくる。ビデオ見て自分の動きをよく研究してるし、(あ、ここはこんな明かりがきてるのか…)って気づくと、その明かりに自分の動きを合わせちゃう。状況把握が早い。どんどんステージが変わって毎回ドキドキするから、おもしろいよ。
今回のツアーでは「愛がある」「愛がない」っていう言葉を明菜がはやらせたんだよね。たとえば、照明さんがいいかげんなスポットをあてたりすれば、「あ、あの明かりは愛がない」とか言うわけ。お互いにそんな言い方で注意したり、ほめたりするの。いい方法でしょ(笑)。
明菜は器用な子じゃない。だから、ひとつひとつ丁寧にやる。「今日、この会場に来てるお客さんみんなが、私のステージに納得してくんないとヤだ!」って子なの。だから、わかってもらえる努力をすごくしてるね、あの子なりに。
それに、まわりのスタッフにあれだけ緊張感をもたせる子っていないね。人の動きもよく見てるよ。「あのとき全然音が聞こえなかった」とかビシバシ言うもん。彼女によって育ってきたスタッフも多いと思う。
とにかく、明菜が20歳を迎えた今年のツアーは僕にとっても思い出になったよ。
ヘッドホン越しに僕らは緊張しあってるよ。
そして、レコーディングの話をワーナー・パイオニアの石崎さん(ミキサー)に――。
僕は「サザン・ウインド」からのつき合いですね。だから、アーティストとして完成された明菜に出会ったわけ。初めは、あの子の呼吸がわからなくってね、とまどった。
明菜が今、何をしてほしいのか。たとえばヘッドホンをかぶって歌をうたってるとするでしょ。顔見てれば、音のバランスが悪いのかなとか、ボリューム上げてほしいのかなとか、わかるよ。顔の表情で通じあえるし、もちろん言葉も大切。そんなに技術面のこと知ってる子じゃないから「音が硬い」とか、そういう伝え方するんだけど。
非常に勘のいい子だから、こっちがちょっとおかしいなと思ってると、向こうもそう感じてる。だから明菜が何を考えているか、ちょっとずつ先を読んであげるようにすればいい。
「D404ME」も、新しい分野に挑戦したぶん、彼女も苦労したんじゃないかな。風邪というアクシデントもあったし。だけど音入れは順調だった。回数で歌う子じゃないから、ものすごい集中力でバーッと歌う。そのピリリとした雰囲気が、ヘッドホン越しの声で、歌で伝わってくるんですよ。こっちも緊張する。彼女が曲に感情移入してるときは、ものすごく神経を遣いますね。
そうだね、プロだからやるときはピシッとやる。でも気分はリラックスしてっていう感じで、レコーディングは明菜のお気に入りのスタジオでやってる。
第一線で活躍しているアーティストって、僕たちにもすごい影響力を与えるんだよね。ホントによく勉強してるし。僕が一番さぼってるかもしれない(笑)。明菜なんて、もう↗(こん)な感じで成長してるでしょ。僕たちは→(こん)な感じだから、、グズグズしてると置いてきぼりにされてしまう。
彼女はアイドルの域を超してますからね、“いっしょになって作っていく”という感じがものすごくします。明菜は歌い手であり“ひとりのスタッフ”だから、「いいものをみんなで作ろう」っていう気持ちをものすごく持ってる。新曲の「SOLITUDE」も彼女気に入ってるし、これからもいいレコード作りたいと思ってますよ。
「この曲、どうだ!」が最高におもしろい。
最後の締めは、名パートナー、ワーナー・パイオニアの藤倉ディレクターの話を――。
「D404ME」はバラエティーに富みすぎているくらい、いい作品に恵まれたLP。曲はいっぱい集まったし、いい曲、インパクトのある曲をメーンに選曲したら、ああいう形になったわけで、ちょっと選曲を違えたら、また全然別のアルバムになってただろうね。
彼女には歌唱力がある。だからなんでも歌いこなせる。なぜかっていうと、歌の心(ハート)がわかるんだよね。スタジオでいろいろ話をしてて「この曲はここがポイント!ここが命だね」って明菜が言うんですよ。それで僕が作家と話してて「藤倉さん、この曲で僕が魂入れたのは、ここですよ。この1行!」っていうわけ。それがピッタリと一致する。明菜にはちゃんとわかってる。曲の心(ハート)をつかんでるんだよ。これは彼女の持って生まれた感性だね。
レコーディングでは、歌い方のパターンをいくつも持っている。おもしろいんだけど1曲の歌入れをするとき、まず練習するでしょ。その時はメロメロなわけ。自分の歌い方をさぐっているんだよ。でも、本番になって「さ、いくよ」で1発歌うでしょ。もう完璧に自分のものになってる。でき上がってる。
彫刻でたとえれば、初めから安全に丸く切っちゃうんじゃなくて、雑だけどボンボン切っていっちゃうわけ。そして、そのラフの作り方みて、新しい板持ってきて、また作りだす。そのときはどういうふうに作るか決まってるからね。迷いがないからね、スパッと作れる。そして最終的にすごいもの作っちゃうんだ。そんな子。
明菜には限界は感じない。「この曲はアイツ、絶対歌えないや」とか思ったことないね。「BABYLON」っていう歌だって、そう。「この曲、どうだ!」って持っていくと向こうも乗ってくれて、それを期待以上のできで歌ってくれる。だから今ね、ホントすごくおもしろい。
ビジュアル的にも秀れているもの持ってるし、自分の見せ方知ってる。ジャケット・コンセプトとかさ。自分をプロデュースする力がすごくある。
こっちが欲ばっちゃうね。今度はこんなことしてみようとか。これをぶつけてみようとかさ。やりたいことはいっぱいある。
僕は、彼女のこと“アイドル”と思ってませんから。“シンガー”だと思ってるし、“スター”だと思ってるからさ(笑)。ま、おもしろいもの作りますから、楽しみにしててください。
コメント
ウエストがキュとしまってるのに、バストとヒップは豊か!
聖子ファンでしたが、年下の明菜さんの方がセクシーでしたね。
うらやましかったものです。
壁紙の画像見ていると、大人の女性を感じます。
nagaiさん、まささん、バースデーカードの件ですが、ご心配ありがとうございました。ようやく手もとに到着しました。友人に電話で確認してもらったところ、確かに11/1に発送しているとのことなので、郵便のほうの、事故だと思います。何にせよ、対応が、迅速でほっとしました。ご心配かけてすみませんでした。そして、ありがとうございました。
●なるほど。「スコラ」の可能性があるんですね。
「GORO」も同じサイズかと。
どちらもH系の雑誌で、
当時は買えなかったなぁ。(笑)
後年、古本屋で少しずつ集めてます。
>>nagaiさん
この雑誌の切り抜きの大きさは「縦28.5cm×横21cm」で、紙質はツルツルした光沢のある結構良い紙です。ちなみに明星や平凡とは紙質もサイズも違いました。別の明菜さんの切り抜き(モノクロ)で大きさが一緒だったのが「スコラ」でした。もしかしたらスコラのカラーページだったかもしれないんですが、ネットで調べても情報が全然ないもので…。
>>あDAMさん
いえいえどういたしまして^^
でも、投票受付中の一覧を見て、まだこんなにたくさん配信されていない曲があったんだと驚きました。
カラオケの会社によってNG曲が違うのがなんか納得できないんですけどね。
どういう仕組みになってるんでしょう…。
>>あいさん
バースデーカード早く届くといいですね。
会報はちゃんと届いているということなので、継続処理はきちんとされているはずなので、もう少しの辛抱ですね^^
>>まゆみんさん
明菜さんの愛犬だった「健太」くんですね^^
明菜さんのジャケットは、毎回毎回驚かされることばかりです。
特にこの頃(85年ぐらい)から、楽曲も含めアーティスティックになっていきましたよね。
一番びっくりしたジャケットはやっぱり「不思議」かな^^
アイドルの域を完全に超越しちゃってるし…。
>>yukiさん
当時いかにたくさんの楽曲が明菜さんのために集められたかがわかりますよね。
昔は才能あるプロの作詞家・作曲家さんたちがたくさんいて名曲もたくさん生まれ良い時代でした。
86年のライブはほんともったいないですよね。なぜビデオ撮影しなかったんだろぅ…。映像として見てみたかったなぁ。
>>しんじさん
ハッキリと言うがゆえ、生意気だとツッパリとか誤解されることも多かったんでしょうね。
でも、そうしたこだわりがあったからこそ、数々の名曲が生まれ、唯一無二の存在に成りえたということですよね^^
nagaiさん
ご心配いただきまして恐縮です。
ファンクラブには、先週、未到着の旨お伝えするお葉書を、出しました。
無事に届いてほしいです。
ご心配ありがとうございました。
●あい さんへ
届きましたか?
まだなら、ファンクラブに電話した方が良いですよ~。
●まさ さんへ
その記事持ってないです。
ジュノンぽいけど。
大きさや紙質は、どんな感じですか?
「明星」じゃないだろうな。昔はアイドル雑誌が沢山ありましたよね。
カラオケの件ありがとうございます。明菜さんの作詞曲全曲制覇したいものです。DEIRE2005versionが上位にある意味もこれまた不明です(–;)
まささん、こんにちは。記事とはまったく関係のないお話でごめんな
さい。
実は、いつもだったらもう届いているはずのバースディカードがまだ届いていないんです。
継続の振り込みをしてからも会報は届いていたので、安心していたのですが…
毎年、いつもならとっくに届いているはずなので、、どうしたのかな…と心配です。。。
『D404ME』は好きなアルバムです♪
私は【モナリザ】が特に好きでしたよ~(*^o^*)
勿論 他の曲も好きですょ☆(笑)
アルバムの裏に確か…当時 明菜さんが飼ってたワンちゃんが写ってましたよね♪ 白い衣装に身をまといコウモリが飛んる表紙には圧倒された記憶があります♪
名曲揃いのアルバムですね(=^▽^=)
まさ様、こんばんは。
「D404ME」って個性的な曲が多いですね。
「BLUE OCEAN」「マグネティック・ラブ」「STAR PILOT」等は明菜さんのオチャメな歌い方がとても好きです。
86年のライブが撮影されてないのが、残念で勿体無いです。
「あのとき全然音が聞こえなかった」とかビシバシ言うもん。
自分に自信があるからでしょうね 完璧なものをつくろうとする 明菜さんらしいですよね(*^_^*)
彼女によって育ってきたスタッフも多いと思う。
明菜さんの行動は周りにも良い影響を与えてたんですね(*^_^*)
今後も信頼のできるスタッフ、関係者、ファンに、めぐまれてほしいです(*^_^*)